「損料」と「賃料」の使い分け

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積算の基礎知識

積算する際の「損料」と「賃料」の使い分け方法についてまとめました。

工事積算するにあたっては不可欠となる項目ですので、しっかりと理解しておく必要があります。

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土木積算の基本!運転歩掛の内訳

まずはじめに、運転歩掛(うんてんぶがかり)の内訳について確認していきましょう。

現在の積算基準は施工パッケージ化されたものが多く内訳が分かりにくくなっていますが、建設機械を用いた運転歩掛の考え方は昔から変わっていません。

労務費 + 機械経費 + 燃料費

運転歩掛の内訳は、”労務費”+”機械経費”+”燃料費”から構成されます。

”労務費”
=機械を動かす運転手です。(オペレーターと言います。現場では「オペさん」と呼ばれたりします)

”機械経費”
=建設機械の費用です。重機、手持ち工具、発電機、コンプレッサー、仮設プラント、橋梁架設設備などがこれに該当します。

”燃料費”
=機械を作動させるのに必要な文字通り燃料費用です。機械によって軽油、レギュラーガソリンなどがあります。(ベテランは燃料費のことを”あぶらは〜”と言ったりします)

運転歩掛に関するこの考え方は工事積算に必要な基本知識です。

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機械経費=「損料」と「賃料」必ずどちらか

前述した”機械経費”についてですが、
積算するにあたり覚えておかなければならないことがあります。

”機械経費”には「損料」と「賃料」という2つの考え方があります。

この「損料」と「賃料」の使い分け方が今回のテーマです。

なんだか、めんどくさそうだなぁ・・・

最初は難しく感じるかもしれませんが、一度理解できれば迷わなくなりますよ!

「損料とは」

「損料」とは”施工業者が保有している機械使用にかかる費用”です。

自社で購入した機械を使いますので、わかりやすく書くと

購入費用 ÷ 価値がなくなるまで使った期間 = 単価

となります。

専門用語で”減価償却”というのですが、これを単価で表したものが「損料」です。

土木積算に用いる単価は(一社)日本建設機械施工協会発行の『建設機械等損料表』が元になっています。

なお、「損料」と呼んでいる単価は正確には「換算値損料」です。

機械が動いている間にかかる費用=「運転損料」
機械が動いていない間にかかる費用=「供用損料」

この2つを組み合わせたものが「換算値損料」です。

詳しくは、以下の記事でまとめてあります。

「賃料とは」

「賃料」とは”借りて使用する機械や資材にかかる費用”です。

例えば、「コマツ」「アクティオ」「ニッケン」「カナモト」など
さまざまなリース会社やレンタル会社がありますが、
これらなどから建設機械をレンタルして使用することを想定した費用です。

単価は、(一財)建設物価調査会の『建設物価』や(一財)経済調査会の『積算資料』に記載されている単価を用います。

補足ですが、ラフテレーンクレーンやアスファルトフィニッシャなどオペ付き(オペレーター付き)でレンタル契約する場合もこれに該当します。

オペ付きでレンタル契約することを”チャーター”といいます。

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どう使い分ければいいの?

実施工においては現場ごとに条件が異なるため、一概に決まりません。
当然、会社規模や工事規模によって状況は変わりますし、実行予算の組み方も100人いたら100通りです。

一方、公共工事発注においては積算基準で明確に決められています。
もし、決まっていなければ積算する担当者ごとに工事価格が変わってしまいます。
それでは困りますので、「損料」「賃料」どちらの単価を使って積算すべきかは積算基準に個別に定められています。

「損料」と「賃料」の使い分け方

答えは簡単です。
積算基準の注意書き欄に注目してください。

機械経費についての積算基準上のルールは、
なにも書いていない = 「損料」
賃料とする」
と記載がある = 賃料

が基本ルールです。

え!?それだけでいいの?

いくつか施工内訳を見てもらえばわかると思いますが、「〜については賃料とする」と記載がないものはすべて損料によって構成されています。
安心してください。

ただし、例外あり

工法協会などの協会が提示している歩掛を用いる場合は注意が必要です。

各協会ごとで機械経費に関しての考え方が違うことがあるのでよく読んでください。

協会が発信する資料は「損料」と「賃料」の使い分けが曖昧にされている場合があります
類似工種であっても積算基準と違うことがあるのでよく読んでください。

不明な点があれば各工法協会に問い合わせた方が無難です。
なにも資料には記載されていないのに「賃料です」と回答される場合もあります。
積算基準のように、「なにも書いていないから損料だろ」と解釈するのは危険です。

気を付けてくださいね。

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特殊な事例 〜移動式クレーンの場合〜

移動式クレーンの機械経費を出すに当たっては「損料」と「賃料」で考え方が異なるので注意が必要です。具体的には「賃料」では、単価に運転手や燃料費が含まれている場合があります。

「損料」の場合

○ラフテレーンクレーン

・機械経費のみの単価。”燃料費”と”運転手”は別途計上する必要がある。
・実施工の場面ではリース契約で使われている場面が多く、賃料で積算されることが多い。

○クローラクレーン

・機械経費のみの単価。”燃料費”と”運転手”は別途計上する必要がる。

「賃料」の場合

○ラフテレーンクレーン

・単価に”燃料費”と”運転手”が含まれる。

○クローラクレーン

・単価に”運転手”が含まれる。”燃料費”は別途計上する必要がある。

なんだか、ややこしいな・・・

賃料だけ特殊です。二重計上しないよう注意してください!

補足

移動式クレーンの賃料単価の取り扱い方法については、(一財)建設物価調査会の『建設物価』もしくは(一財)経済調査会の『積算資料』の建設機械賃貸料金の注意書きに詳しく書かれていますので、初めて計上する場合は一読した方が良いです。

積算ソフトに頼らずに自分で移動式クレーンの経費を「賃料」で積み上げる場合は、「気をつけて計上する」しかありません。運転手や燃料費を二重計上しないように注意してください。

なお、単価自体は一般認識として、自社保有している機械の単価である「損料」の方が安いと思われがちですが、比べてみると「損料」の方が高かったということも十分にあり得ます。

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最後に

以上が土木工事積算をする際の損料と賃料の使い分けについてのまとめです。

積算ソフトに従ってそのまま計上できる現場条件であるならば特に問題にならないかもしれませんが、「積算基準ではクローラクレーンになっているが、ラフテレーンクレーンで施工した場合の見積もりを出してくれ。施工内訳も付けてね。」などと言われて見積もりを作成する場合もあるかと思います。

そのような場合に、このまとめを参考にしていただければ幸いです。

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ここまで記事を読んでくださってありがとうございました!

それでは!

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発注者支援業界に勤務。
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