重機分解組立についてまとめました。
この記事では以下のことについて書いています。
・重機分解組立とは
・重機分解組立の基本的な考え方
・重機分解組立の対象となる重機
・重機分解組立を計上する際の注意点
重機分解組立とは
重建設機械を現場で組立て、使用後は分解する作業のことです。
そのままの姿では公道を利用しての運搬ができない大型の建設機械を現場で使用する際に必要となります。
建設機械は分解された状態でトレーラに積載され、現場への搬入・現場からの搬出を行います。
重建設機械分解組立には分解組立する重機の質量に応じた吊荷重のクレーンを使用します。
分解組立用のクレーンが大型になる場合は、分解組立用のクレーンについても分解組立が必要になる場合もあります。
重機分解組立の基本的な考え方
重機のモータープールでは分解された状態
重機分解組立の基本的な考え方については、
現場搬入時に「組立」
現場搬出時に「分解」
をされるものとして考えます。
実際の作業としては「組立」から「分解」なのですが、積算する際は、「分解・組立」の語順で呼ばれます。
計上する際は、「分解・組立」ワンセットで計上します。
重機分解組立の対象となる重機
積算基準で記載している機械
積算基準では、適用する建設機械について以下のものが掲載されています。
「本資料は、工事現場に搬入搬出する標準的な重建設機械の分解・組立及び輸送に適用し、(中略)」とあります。
ここに記載がない重建設機械の分解・組立及び輸送費については、見積もりにより計上することとなります。
ただし、工法協会が分解・組立及び輸送費の歩掛を出している場合もあります。
この場合は見積もりとせず、積算基準による場合と同様に共通仮設費の運搬費に積み上げます。
重機分解組立を計上する際の注意点
分解・組立の歩掛
分解・組立の歩掛を以下に掲載します。
重機分解・組立の歩掛内訳は、基本的には「特殊作業員」+「分解組立用のクレーン運転歩掛」です。
これに対し、諸雑費率は2種類が用意されています。
これは「分解・組立・輸送」と「分解・組立のみ」を表現するためです。
分かりやすいよう、2種類の諸雑費率を赤枠と青枠で囲みました。
この諸雑費率は両方同時に計上する訳ではなく、どちらか一方のみ計上します。
「分解・組立・輸送」の場合は赤枠の諸雑費率
「分解・組立のみ」の場合は青枠の諸雑費率
を計上します。
輸送費にあたる諸雑費率の大半で100%を超える大きい数値とされていることが特徴的です。最も大きなところで400〜500%あります。
つまり、分解組立にかかる費用よりも、
輸送費にかかる費用の方が大きいです。
このことは感覚的に覚えておいた方が良いと思います。
積算基準ではトラック及びトレーラでの「運搬距離」については一切記載されていません。
質量20t以上の重建設機械の現場内小運搬については共通仮設費の運搬費率に含むとされていますが、例えば、比較的近所の隣接工区に分解・組立を伴ってトレーラ運搬する場合に輸送費用を計上するのか、しないのか判断に迷うことがあります。
この場合は各所属で相談し、方針について決めておく必要があります。
対応の参考例ですが、「自走できずトレーラによる運搬が必要になる場合は協議すること。」などと条件明示しておき、当初は「分解・組立のみ」で発注してはいかがでしょうか。
協議があった場合は輸送費のみの見積もり歩掛を取って、追加で積み上げすれば適切な額で精算できると思います。
高額なため計上を忘れないように注意
重機分解組立の費用(特に輸送費)は高額である場合が多く、数百万円の額になることも珍しくありません。
万が一計上を忘れて発注してしまった場合、工事受注者より指摘を受けて設計変更で計上する場合には思いもよらぬ増額になってしまいます。注意してください。
凡ミスを防ぐためには、自分以外の人から工事設計書を見てもらう、いわゆるクロスチェックを実施することが大事です。
最後に
以上で、重機分解組立についての記事を終わります。
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