サンドマット工の積算方法

共通工

バイパスなどの道路盛土工事に先立って施工されることの多いサンドマットの積算をする際の注意点についてまとめました。

サンドマットは軟弱地盤層の圧密の促進とトラフィカビリティの確保を目的に施工します。

積算基準では軟弱地盤処理工として掲載されています。
土工ではありません。

積算する際は砂材料の計算や沈下板の設置など積算する際に間違えやすい部分があります。
注意してください。

この記事は以下のことについて書いています。

・サンドマットの目的
・サンドマットに適した砂材料とは
・透水性が低い材料を使用する場合の注意点
・積算する際の注意点

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サンドマットの目的

サンドマットを設ける目的は主に2つあります。

軟弱層の圧密の促進

1つ目が軟弱層の圧密の促進です。圧密とは地盤が「水の排出と共に体積が減少する」ことです。

盛土した際、荷重により地盤内に過剰間隙水圧が発生し地表面に間隙水が上がってきます。
この際に、地表面の透水性が悪いと時間当たりの水の排出量が少なくなり、
結果として圧密が進まないため盛土の沈下がいつまで経っても終息しないという事態になります。

盛土の沈下が終息しないと、舗装などのその後の工程に影響がありますので忘れずに施工しなければなりません。

トラフィカビリティの確保

2つ目がトラフィカビリティ(施工機械の走行性)を確保するためです。

サンドマットはDJMやサンドコンパクションパイルなどの地盤改良工(工種的には深層混合処理)とセットで用いられることが多いですが、これらの地盤改良機械のトラフィカビリティ確保のために施工します。

新設バイパス工事などではもともと水田である場所などの軟弱地盤上に計画されることが多く、盛土に先がけて地盤改良を行う場合が多くなります。

軟弱地盤上では地盤改良機械が走行することが困難であるため、クローラ式の地盤改良機械などが走行するための足場として設けます。

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サンドマットに適した土砂材料とは

透水性が高い

サンドマット施工に際して、バイブルとされるのは『道路土工 軟弱地盤対策工指針』ですが、これによると

サンドマットは、透水性の良い現地発生土の有効利用が望ましいが、山砂等の場合は細粒分を含むことが多く排水能力が劣る場合がある。このような場合には、砂利や有孔管を用いた地下排水溝を併用することで排水機能を確保することが可能であり、必要に応じて地下排水溝の配置・構造について検討する。

P.235 2)サンドマットの材質『道路土工 軟弱地盤対策工指針(平成24年度版)』−公益社団法人 日本道路協会

とされています。都合よく”透水性の良い現地発生土”を手に入れることは困難な場合が多いと思いますが、サンドマット材料はできるだけ透水性の良い材料であることが求められます。

透水性の良い材料とは、細粒分含有率Fcが低い材料(Fc=74μmふるい透過率)
つまり粘土分を多く含む粘性土などは向いていないということです。

指針によると具体的には、Fc≦3 つまり、細粒分含有率が3%以下であることが求められます。
それよりも多く細粒分を含む場合は、暗渠排水の併用などの検討が必要になります。

砂質土よりも浜砂や川砂などの粒径の揃った砂材料の方が細粒分含有率が低く透水性が良いため、こちらが手に入る場合にはこちらで設計計上することが望ましいです。
(浜砂など河口に近い場所で採取された砂ほど、粒径が小さいため強風で飛散します。必要に応じて上層にt=10〜15cm程度の砕石層を設けて飛散防止対策をすると効果的です)

実施工の際は、あらかじめ発生土もしくは購入予定の土の粒度試験をして粘土分(細粒分含有率)について確認をし、Fcが3よりも大きくなる場合は必要に暗渠排水などの対策工の提案をすると良いです。

良質な砂材料だとしても運搬距離が遠くなってしまう場合は不経済になる場合があります。多少透水性が悪い土でも、対策次第で使えますので対策工と合わせて経済比較した上で計上しましょう。
なお、コンクリート製造に使う”洗い砂”も比較検討に入れると良いかも。

トラフィカビリティが確保できる

トラフィカビリティを示す指標として、一般的には「コーン指数」が用いられます。

建設機械の走行に必要なコーン指数(qc〔kN/m2〕)の目安を下記に示します。

超湿地用ブルドーザー・・・200 以上
湿地用ブルドーザー・・・300 以上
ブルドーザー(中型)・・・ 500〜700
ブルドーザー(大型)・・・ 700〜1000
ダンプトラック・・・1200 以上

地盤改良機械は履帯(クローラ)式ですので、ブルドーザー程度(中型)のコーン指数は必要です。
一般的な砂質土や砂材を使用できればこのあたりは問題ないと思います。

なお、道路土工 軟弱地盤対策工指針では現況表層のコーン指数によってサンドマットの厚さ目安が示されています。

現況が50kN/m2を下回るような超軟弱地盤層では、浅層をセメントで安定処理したり敷砂利や敷鉄板でトラフィカビリティを確保した方が経済的になる場合があるため、経済的な比較検討を行うことが望ましいです。
また、指針によるとサンドマットを設ける場合は最低でも施工厚さは50cm程度必要であるとされています。

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透水性が低い材料を使用する場合の注意点

暗渠排水を設ける

透水性向上のために暗渠排水を設ける場合は、一般的にはφ100程度の有孔菅が用いられます。

経験上、イチ押しは『トヨドレンZ』です。
https://www.denka.co.jp/product/detail_00081/

『砕石5号』(単粒度砕石13-20)などで暗渠排水菅を巻き立てるとより効果的です。

暗渠排水の断面については、道路土工 軟弱地盤対策工指針 に参考断面がありますので、こちらを参考として下さい。

併用工法

サンドマットの透水性が低い場合、フィルター層を設けることも有効です。
軟弱地盤対策工指針の併用工法についての箇所を記載しておきます。

サンドマットの透水性が比較的低い場合、降雨などによって盛土内の地下水位が上昇し、盛土やのり面が崩壊する恐れがある。その場合には、崩壊防止対策として解図6-48に示すように、のり尻部にフィルター層を設けて水位の低下を図ることが有効である。フィルター層には透水性の良い砕石等を用いる。

P.238 4)併用工法『道路土工 軟弱地盤対策工指針(平成24年度版)』−公益社団法人 日本道路協会
P.238 4)併用工法『道路土工 軟弱地盤対策工指針(平成24年度版)』
−公益社団法人 日本道路協会
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積算する際の注意点

沈下板の設置

サンドマットの施工後、必要に応じて地盤改良を行った後は盛土を行うことになります。
この際、沈下量の観測のために”沈下板”の設置が必要になります。

地盤工学会の『JGS 1712 沈下板を用いた地表面沈下量測定』に従って観測することになりますので、補足情報として読んでおいた方が良いです。

沈下板の設置及びその後の動態観測(盛土の沈下量観測のことです)に関する費用の精算については、積算基準でガイドラインが示されておらず、各発注者ごとでも取り扱い方法が決まっていない場合がほとんどだと思います。
そのため、積算での計上の是非については曖昧なまま発注されている場合が多いのが現状です。
沈下板の設置(特に地盤改良後の盛土工事を合わせて発注する場合)は、

・沈下板の設置費用
・動態観測費

の項目について特記仕様書などで条件明示した上で発注することが望ましいです。

なお、蛇足ですが軟弱地盤の動態観測費については『全国標準積算資料 土質調査・地質調査 (一社)全国地質調査業協会連合会』(通称赤本)に調査歩掛が掲載されています。
こちらは、調査委託の歩掛なので工事積算にはそのまま計上できませんが補足情報として書いておきます。

積算をする上での注意点

仕上がり状態は”敷均したまま”

サンドマットはブル敷均しなどを行ったあとはローラーによる締固めは行いません。

盛土などは”締固め後”の土量で積算しますが、サンドマット工は考え方が異なりますので注意してください。

ロス率の考慮を忘れないように

積算基準ではサンドマット工を”ロス率を23%”見込んで積算します。
(補足情報:令和3年度積算基準よりロス率が16%に改定される予定です【出典元:https://www.mlit.go.jp/tec/content/001388267.pdf】)

運搬土量は積算では「地山状態」で考えますので、運搬土量計算に注意してください。

・サンドマット工の注意書きに”締固め(敷均し)後土量とする”と記載があること。
・代表機労材規格を見るとブルドーザ16t級のみであり、締固め機械がないこと。
・別ページの積算基準の『整地(敷均し(ルーズ))』の注意書きに”土量は敷均し後の土量とする。なお、敷均しのみのため、変化率C=1.0とする。”とヒントがあること。

以上を整理すると、運搬土量の計算式は以下のようになります。

(地山土量m3)=A(設計断面積m2)×L(設計延長m)×1.23(ロス率)÷1.0(変化率C)

なお、土砂運搬についてはこちらに詳しくまとめてありますので、一度確認していただいてから積算に入ると確実かと思います。

ジオテキスタイルを敷く場合

ジオテキスタイルを敷く場合、サンドマット工の「土木安定シート・ネット」で計上します。

「パラリンク」(エターナルプレザーブ社の高強度帯状ジオセンティック)を使用する場合は、物価資料に材料単価があります。なお、パラリンクはNETIS登録資料では「自社歩掛」となっているので、施工手間については見積もりによって計上するのが適当と思われます。

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最後に

以上で、サンドマットに関するまとめを終わります。

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