伐採・伐木の積算方法

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共通仮設費

伐採・伐木の積算方法についてまとめました。

伐採・伐木作業は作業条件や樹種により日当り施工量が大きく異なるため、積算基準により一般化することが困難な工種です。

河川、林業、市販書籍など積算するための選択肢はいくつかありますが、伐採・伐木を積算する際のガイドラインなどについて示されている資料がありません。

そのため、積算する際に積算方法が分からずに迷われる方が多いかと思います。

この記事では、伐採・伐木の積算で迷われている方向けに積算する際の各種積算基準の紹介積算する際の注意点など記事にしました。記事の内容としては以下の通りです。

・5通りの積算方法(4つの積算方法と見積もり)
・伐採木は「廃棄物」なのか「有価物」なのか
・精算する際に必要になる情報は「面積and本数」「幹周or胸高直径」「処分重量」
・当初設計の場合は伐採重量の算出が困難

オススメは「造園修景積算の手引き」支障木の伐採・抜根による計上です。

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伐採・伐木する時の選択肢

5通りの積算方法がある

積算基準:河川の伐採

土木工事標準積算基準の第2章 河川維持工「伐木除根工」で積算する場合です。

積算基準で用意のある施工パッケージ単価で積算できるため、最も簡単に積算できます。

下記は積算基準の要約です。

想定するフィールド:河川堤防、高水敷・中洲
想定するメイン機械:グラップル付きバックホウ
作業イメージ:バックホウの取りこぼしをチェーンソーや人力で伐開していくイメージ
特徴:
・パッケージ単価になっており単価内にチェーンソー運転経費を含む
・計上単位は「m2」

河川維持のための施工パッケージ単価であり、通水断面の粗度係数を低下させることが主目的の作業です。除根有りの場合は整地が含まれ、除根無しでは整地は含まれません。
試算すれば分かりますが、施工単価がかなり割安で、工事のための準備工で計上するには安すぎて実態に合わない場合が多いです。

林業積算基準の伐採

林野庁の「森林整備保全事業設計積算要領」を大元にした歩掛で積算する場合です。

想定するフィールド:山林、海岸林
想定するメイン機械:なし(特殊作業員によるチェーンソー運転)
作業イメージ:下草刈りの終わった整備林をチェーンソーで連続的に伐倒していくイメージ。伐倒後の枝払い、玉切りをする歩掛が別途用意されている。
特徴:
・チェーンソーの運転経費は諸雑費率に含まれる
・計上単位は「100本当たり」

林野庁の積算要領を元に、「林業積算基準」などの名目で各発注主体から別途積算要領が出されている場合が多いと思います。
あるいは、発注主体によっては共通工などに追記されている場合や、別冊資料に記載がされている場合もあるかもしれません。
この積算基準の本来の想定は、除伐もしくは本数調整伐です。
整備林などの山林を対象にした伐採歩掛です。こちらも工事のための準備工で計上するには安すぎて実態に合わない場合が多いです。

造園修景積算の手引き

(一財)建設物価調査会発行の「造園修景積算の手引き」もしくは「造園修景積算マニュアル(最新版は改訂20版)」に掲載されている歩掛です。

掲載されている歩掛はどちらの本も同じです。

なお、「造園修景積算の手引き」は「造園修景積算マニュアル」に加筆修正を行った最新版です。

「造園修景積算マニュアル」については廃版となっており、正規価格では購入することができません。内容については「造園修景積算の手引き」で対応できますのでこちらを利用されるのが良いかと思います。

「間伐」

想定するフィールド:面積が比較的大きく起伏のある樹林地
想定するメイン機械:なし(特殊作業員によるチェーンソー運転)
特徴:
・チェーンソー運転については運転歩掛で計上
・歩掛に幹、枝葉の指定された園内あるいは管理区域内の場所への運搬、集積までを含む
・計上単位は「100本当たり」

造園修景積算の手引きに掲載されている伐採系の歩掛のうちの一つです。
適用条件に合うのであれば、こちらの歩掛を使用するのも選択肢の一つです。

「支障木の伐採・抜根」

想定するフィールド:公園や庭園、街路樹。作業上の制約が少なく、面積が大きい場合。
想定する機械:
【支障木の伐採】
(1)人力伐採(造園工+普通作業員)
(2)機械伐採(造園工+普通作業員+特殊作業員によるチェーンソー運転)
【支障木の抜根】
(1)人力抜根(普通作業員+特殊作業員によるチェーンソー運転)
(2)機械抜根(普通作業員+特殊作業員によるチェーンソー運転+クレーン車運転)

特徴:
・抜根について記載のある歩掛
・計上単位は「本」

伐採についての歩掛資料の中では「本」当たりで掲載されている唯一の歩掛です。抜根する際の歩掛も用意されており、一般的な道路工事などの準備工で支障木の伐採・抜根を計上する際に計上されることが多いです。

「伐採・伐木については造園修景マニュアルを見ろ」というくらい、工事積算では重宝されています。

土木積算.com管理人的に一番オススメの計上方法です。

チェーンソーやクレーン車の運転歩掛が絡むため、積算難易度は若干上がります。

見積もり

上記の条件に一致しない作業であれば、見積もりを取るのが無難です。

伐採・伐木の積算は作業条件や対象の樹種により日当り施工量が大きく異なるため、積算基準を作って一般化することが困難です。
現場ごとに個別対応しなければならない状況は今後も変わらないと思われます。

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どれで積算すればよいのか

判断基準

「それぞれの基準で想定している条件に最も近いもので計上する」

という考え方で良いかと思います。

各歩掛の施工単価で計上した場合の金額を試算し、現場の施工実態に近い金額を計上するのが良いかと思います。

繰り返しになりますが以下の点は押さえておいた方が良いです。

・河川や林業の伐採歩掛は一般土木工事では現場実態に合わないことが多い。
・造園修景積算の手引きによる計上がおすすめ

条件に合わない場合は見積もりを取った方が無難です。

例えば「高所作業車を使った枝打ち作業」が必要になる場合などは、見積もりとなるかと思います。

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積算する際の注意点

工事の準備段階での伐採・伐木

積算基準に詳しく記載されていますが、工事の準備段階での伐採・伐木について積算上は準備費として扱うとされています。

準備費の経費率に含まれる内容

国土交通省から公開されている通達文「土木工事工事費積算要領及び基準の運用」の改定についてー国官技第328号(令和2年2月13日付け)(https://www.mlit.go.jp/common/001329080.pdf)より、

準備費の積算基準のうち、伐採・伐木に関係する文章について引用します。

〜中略〜
3)準備として行う以下に要する費用
イ ブルドーザ、レーキドーザ、バックホウなどによる雑木や小さな樹木、竹などを除去する抜開に要する費用
(樹木をチェーンソーなどにより切り倒す伐採作業は含まない)
ロ 除根、除草、整地、段切り、すりつけなどに要する費用
なお、伐開、除根及び除草は、現場内の集積・積込み作業を含む
(伐採作業に伴う現場内の集積・積込作業は含まない)
4)1)から3)に掲げるもののほか、伐開、除根、除草などに伴い発生する建設副産物を工事現場外に搬出する費用、及び当該建設副産物などの処理費用など、工事の施工上必要な準備に要する費用
〜中略〜
(2)積算方法
 準備費として積算する内容で共通仮設費率に含まれる部分は、前記(1)の1)、2)、3)とし、積上げ計上する項目は前記(1)の4)に要する費用とし、現場条件を適確に把握することにより必要額を適正に計上するものとする。

上記文章より、チェーンソーを使った伐採作業及び伐採に伴う現場内の集積・積込作業については共通仮設費率に含まれないことが分かります。したがって、別途積み上げが必要です。

チェーンソーを使った伐採作業については、準備費から外れるとも受け取れる文面です。
よって、積算する際は実際の工事を勘案して本体工事乗り込み前に伐採作業を行うのであれば準備費扱いとし、本体工事の開始後に伐採作業を行う場合については直接工事費に計上するべきかと思います。

なお、どちらか判断に迷う場合は、準備費扱いとして積み上げた方が無難かと思います。

「廃棄物」なのか「有価物」なのか

廃棄物とする場合は処分費の取り扱いに注意

産業廃棄物として処分する場合は、「現場発生品運搬費」「見積もりなどによる受入処分費」を計上するのが一般的かと思います。

受入処分費を計上する際は、処分費などが「共通仮設費対象額(P)」の3%を超える場合または処分費が3千万円を超える場合は3%分のみが率計算の対象となりますので注意してください。

樹種によっては有価物

地域性や樹種などによって処分の取り扱いが多少変わる場合があります。

樹種によっては二次利用した際の価値が高い場合、有価物になる場合があります。

河川内の維持管理で発生した伐採木など、ある程度まとまった量がある場合については無料配布を行うこともあります。

薪ストーブの普及率が高い地域ほど伐採木の価値が高くなります。中でも広葉樹は薪にした際に火力を保ちつつ、ゆっくりと燃える特徴を持つため有価物になる場合が多いです。

樹種の中でも「桜」は有価物になる場合が多いです。香りの良い燻製材料になるため引き取り手が多くなるようです。

積算する際に必要になる現地情報

変更設計の積算をする際は以下の情報が必要になります。

着手前に工事受注者に資料の提出を要望しておくことが望ましいです。

・伐採面積
(「m2当たり」の歩掛で精算する場合)
・伐採本数
(「本当たり」の歩掛で精算する場合)
・幹周(cm)もしくは胸高直径(cm)
・処分重量(t)

胸高直径(cm)とは、地上から1.2mの高さでの立木の直径のことです。
「きょうこうちょっけい」と読みます。

当初設計の場合は処分重量の算出が困難

当初設計から伐採について計上する場合、処分重量を正確に算出することはかなり困難です。

困難ではあるものの、「材積(ざいせき)」を計算式などで算出して単位質量をかけることで概算値を出すことができます。

国土技術政策総合研究所から出ている資料である「土木工事数量算出要領(案)」では木材の単位質量を「1m3あたり800kg」としています。

なお、「材積」を出すためには「樹種」「胸高直径」「樹高」の情報が必要です。

「材積」の出し方については、Webでキーワード検索を行って頂ければ情報が得られるかと思います。

下記のHPで材積計算のためのExcelワークシートを配布していますので、利用されると良いかと思います。
森林総合研究所ー幹材積計算プログラム
https://www.ffpri.affrc.go.jp/database/stemvolume/index.html

計上する数量については、”概算値”であるため精算変更が必要になります。

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最後に

以上で、伐採・伐木の積算方法のまとめ記事を終わります。

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土木積算.comの管理人です。
発注者支援業界に勤務。
公共工事の円滑な事業執行をサポートするため、積算・施工管理の分野で毎日頑張っています。

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