蓋版を積算する際の注意点

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排水構造物工の積算には不可欠な蓋版についてまとめました。

コンクリート二次製品においては本体の施工後に設置され、
現場打ちとなる場合は生コン打設前にグレーチング蓋用の受け枠共で施工しておかなければなりません。

【積算する際のポイント】
・設置する場所の交通状況に応じた耐荷重の製品単価
蓋版の重量の情報
が必要になります。

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施工費=土木工事標準単価

蓋版設置の施工費は(一財)建設物価調査会の『土木コスト情報』及び(一財)経済調査会の『土木施工単価』に単価掲載されている、”土木工事標準単価”で積算します。

積算する際は以下の情報が必要になります。

・蓋版にどの程度の耐荷重性を求めるのか
・蓋版そのものの重量

積算に入る前にこれらの情報について整理しておくと良いでしょう。

国土交通省の積算基準を例にして時系列を整理すると、平成29年4月から市場単価方式から土木工事標準単価に積算方法が変わりました。

土木工事標準単価は蓋版の材質が「コンクリート製」「鋼製」どちらでも適用可能です。ただし170kg/枚を超える場合は適用不可ですので注意してください。

なお、下記に示すように蓋版の重量によって適用する単価が変わります。

40kg/枚以下
もしくは
40を超え170kg/枚以下

『40kgまでは2人で持ち上げて人力施工できるが、40kg以上は機械(クレーン機能付きバックホウなど)で据付けることを想定した単価設定になっている』ためと思われます。

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現場条件に応じた耐荷重を選択

『T-2』
乗用車、1tトラックなどの総重量2,000kgf(19.6kN)までの車両の通行を想定。
(歩道設置であれば、通常はこの耐荷重を選ぶ)

『T-6』
総重量6,000kgf(58.8kN)までの中型車両の通行を想定。救急車や消防車などの緊急車両の通行も可能。

『T-8』
5tトラック、バスなど総重量8,000kgf(78.4kN)までの車両の通行を想定。

『T-14』
8tトラックなど総重量14,000kgf(137.2kN)までの車両の通行を想定。

『T-20』
総重量20,000kgf(196kN)までの大型車両の通行を想定

『T-25』
総重量25,000kgf(245kN)までの大型車両及び特殊車両の通行を想定
(車道設置であれば、通常はこの耐荷重を選ぶ

以上の規格があります。

T-2』もしくは『T-25』を計上する機会が多いかと思います。

歩道に設置する場合でも頻繁な車両の横断が予想される場合や、搭乗式の除雪車などによる荷重が想定される場合は別途耐荷重を考慮した方が良いです。

迷った場合はT-25で計上しておけば設計上は問題無いと思いますが、不経済になるのと蓋版の重量が重くなるため維持管理の際に手間がかかります。その点について注意が必要です。

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蓋版の紹介

コンクリート蓋

コンクリート蓋については、側溝などを製造している会社と同じコンクリート二次製品工場で製造されていることが多いです。コンクリート蓋はグレーチング蓋よりも値段が安く経済的に購入できる一方、重車両による頻繁な載荷を受ける箇所では維持管理していく上で角欠けが多くなることがデメリットです。

耐荷重のラインナップは『T-2』もしくは『T-25』のみであることがほとんどです。

歩道内や路肩の縦断方向に設置する場合にはコンクリート製が多く用いられます。

全数がコンクリート蓋で問題ない場合でも「〇〇mごとに1枚、グレーチング蓋を設置する」など設計要領で定められていることが多いかと思います。

グレーチング蓋

グレーチングとは、材質そのものを”グレーチング”と呼ぶわけではなく、鉄を溶接で格子状に加工した製品のことをグレーチングと呼びます。材質は溶融亜鉛めっきした鋼鉄製が一般的ですが、他にもステンレス製や強化プラスチック製のものなどもあります。

グレーチング蓋については、グレーチング製品を専門に製造している会社が販売しています。
国内では『株式会社ダイクレ』が有名で、グレーチング蓋のシェア4割を占めています。

コンクリート蓋と異なり、様々な耐荷重に応じて製品を選択できます。

集水桝の蓋(ますぶた)だけでも
『落し込式』『110°開閉式』さらに表面のスリットの数で『並目』『細目』など多彩なラインナップがあります。

コンクリート蓋と比較すると高価であることが欠点です。

また、鉄価格が高い時期は盗難被害を受けることが多くなりますので注意してください

横断側溝とする場合は全面グレーチングとする場合が多いと思います。

一方で、表面排水の処理を気にしないで良いのであれば鉄筋コンクリート台付管や遠心ボックスカルバートで暗渠化した方が走行性もよく、結果的に経済的である場合も多いです。

鋳鉄蓋

車道内に設置されることが多いマンホールや消火栓などの蓋は、車両の通過でガタついたり外れたりしないように鋳物でつくられた鋳鉄製を使用することが一般的です。

マンホール蓋は『日之出水道機器』が有名で、シェアの6割を占めています。

縞鋼板蓋

縞鋼板とは、表面にリブと呼ばれる滑り止め用の突起をつけた圧延した鋼板のことです。溶融亜鉛メッキや塗装をすることで錆止めを施します。

縞鋼板蓋は主に「車両の荷重がかからない箇所の集水桝の蓋」に使用されます。
目的は集水桝への転落防止です。

受け枠などは無く、下面にズレ止めとしてL形アングルを溶接した構造であることが多いと思います。維持管理のために取手が取り付けられます。

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最後に

以上で、蓋版に関するまとめを終わります。

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それでは!

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