岩塊・玉石の考え方

土工
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積算をする際の岩塊玉石の考え方をまとめました。

積算基準では岩塊・玉石がどのような状態であるかの記述は十分ではなく、積算する際に迷うことがあるかと思います。

この記事ではそのような場合に参考にして頂ける記事内容としました。

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岩塊・玉石とは

岩塊や玉石が混入して掘削しにくく、バケット等に空隙のできやすい土質状態のものを指します。
なお、粒径は7.5cm以上とし、中でも丸みのあるものが玉石であるとされています。

(参考文献:令和6年度(4月版)土木工事数量算出要領(案)第1編(共通編) 第2章 土工より一部表現を変えて掲載)

積算基準には岩塊・玉石の定義について掲載されていません。

判断に迷った場合は、国総研の数量算出要領の記載を参照してください。

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選択肢に上がる工種

掘削・床掘もしくは積込など

積算基準では掘削・床掘もしくは積込などを積算する際に積算条件の選択肢として出てきます。実際に岩塊・玉石を積算条件として選択する機会は少ないと思いますが、積算する際の土質状態について正確に理解しておくことは大切です。

なお、岩塊・玉石についてはベテランは「がんたま」と省略して呼称することが多いかと思います。会話の中でこの用語が出た場合は岩塊・玉石の土質状態を指していると考えてください。

一方、「礫質土(れきしつど)」や「〇〇質礫(〇〇しつれき)もしくは〇〇混じり礫(〇〇まじりれき)」など、最大粒径が礫程度である場合、または粘性土質分が相当量含まれる場合は、一般的に「岩塊・玉石」の状態とは異なります。

この場合は岩塊・玉石と判断することは少ないです。
覚えておいてください。

なお、数量算出要領では「玉石まじり土」については岩塊・玉石の土質状態であるとされています。

岩塊・玉石の粒度分布について考えた場合、75mm以上が多く含まれてかつそれ以下の粒径が少ない状態となります。
グラフに表した場合は傾きが急角度で極端なS字曲線を描くはずです。

例えば、土質区分で「玉石混じり〇〇土」とされている場合、程度にもよりますが国総研の数量算出要領を根拠に”岩塊・玉石”と判断しても良いかと思います。

積算する際の注意点

岩塊・玉石は比較的標高の高い地域の土工を積算する際に検討が必要になる機会が多くなってくるかと思います。

例えば、河川上流域での河道掘削などを想像して頂けると分かりやすいかと思います。

一方で、積算する際には検討する際の条件が複雑なため、迷う場合もあります。どういった場合に注意が必要なのか解説したいと思います。

あらためて、数量算出要領より土質状態を引用すると、岩塊・玉石とは「岩塊・玉石が混入して掘削しにくく、バケット等に空隙のできやすい状態」の土質状態のものを指します。
覚えておきましょう。

「軟岩」や「硬岩」の掘削を計上する場合

積算する際に検討しなければならない条件として挙がる場合はどのような場合かと言うと、掘削・床掘・積込などショベル系の機械の作業を積算をする際に条件として出てきます。

注意したい点として「軟岩」や「硬岩」などの掘削を計上する際に混同して計上しがちな点が挙げられます。

例えば、
軟岩掘削した際の積込は「土砂」になりますし、
硬岩掘削した際の積込は「破砕岩」になります。

この場合は岩塊・玉石の土質区分は関係しません。

まとめると以下の関係性になっています。

なお、便宜上
掘削や床掘を「1次掘削」
積込や押土を「2次掘削」と仮称して記載します。

1次掘削「土砂」→ 2次掘削「土砂」
1次掘削「軟岩」→ 2次掘削「土砂」
1次掘削「硬岩」→ 2次掘削「破砕岩」
1次掘削「岩塊・玉石」→ 2次掘削「岩塊・玉石」

ややこしいですよね。

積算する際は積算基準をよく読み込み、間違えないように注意してください。

「土砂」の掘削後は「土砂」ですし、
「岩塊・玉石」の掘削後は「岩塊・玉石」です。

”軟岩と硬岩を掘削した後のみ、土質条件の考え方が変わる”ので覚えておいてください。

掘削もしくは積込は「岩塊・玉石」でも、土砂運搬は「土砂」扱い

一方、掘削もしくは積込が「岩塊・玉石」であっても、土砂運搬の積算条件では「土砂」扱いとされています。

土砂運搬については岩塊・玉石は関係ありません。

積算する際に条件が一致していなくても間違いではありません。

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最後に

以上で、積算する際の岩塊・玉石の考え方についての記事を終わります。

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ここまで記事を読んでくださってありがとうございました!

それでは!

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